毎年夏の恒例行事となっている、日本テレビ系のチャリティー番組「24時間テレビ 『愛は地球を救う』」。2013年は8月24日から25日にかけて放送される。
この番組について、これまで度々議論になっているのが「出演者へのギャラ支払いの是非」だ。毎年「チャリティーなのにギャラが払われるのはおかしい」という声が大量に上がるが、週刊誌が出演者のギャラの金額を報じたことで、今回も議論を巻き起こしている。
「嵐」に5000万円、森三中・大島美幸1000万円?
24時間テレビの出演者のギャラを報じたのは、13年7月30日発売の「FLASH」だ。
「事情を知るプロデューサー」の話として、24時間テレビの予算は総制作費が4億2000万円、CM収入合計が22億2750万円。そのうち出演者のギャラと総制作費を除いて赤字にならない範囲で寄付に回すと書かれている。
そのギャラだが、今年メーンパーソナリティーを務めるグループ「嵐」に5000万円、番組内で放送するドラマに主演する嵐・大野智さんにはプラス500万円、マラソンランナーの森三中・大島美幸さんに1000万円、パーソナリティーの上戸彩さんに500万円、総合司会の羽鳥慎一さんに500万円。番組の合間で歌を披露する人には、加山雄三さん、谷村新司さんクラスで200万円、その他懐メロ歌手や芸人などには10万~100万円が支払われるという。
これだけの額が支払われる理由は「拘束時間が長く、1人あたりのパーソナリティーの負担がかなり大きいから」とのことで、最近テレビに出なくなった「懐かしの歌手」にとっては「おいしい小遣い稼ぎ」の場でもあるというのだ。
この記事を知った人からは、インターネット上で「ボランティア番組でギャラ貰うのって、日本くらいじゃないのか?」「駅前で募金する女の子がバイト代もらってたら興ざめだよなあ」「障害者を食い物にして金をまきあげる偽善企画はまさに金サライ」など、反発の声が上がった。
赤木智弘「ノーギャラにしたら貧乏芸人しか集まらんぞ」
24時間テレビの出演者にギャラが支払われているか否かは、はっきりしたことはわかっていないが、これまで「多額のギャラが支払われている」として度々議論されてきた。
米国の「レイバーデイ・テレソン」、フランスの「テレソン」といった海外のチャリティー番組では、大物歌手だろうがタレントだろうがノーギャラで出演するのが当然とされている。24時間テレビに対して「庶民に募金を呼びかけるくせに、自分は高額のギャラをもらっている」として批判する声は根強い。
一方、ギャラが支払われることに理解を示す声もある。
フリーライターの赤木智弘氏は12年8月25日、ツイッターで「24時間テレビをノーギャラにしろとか言っている奴がいるが、そうなったらテレビに映りたいだけの貧乏芸人しか集まらんぞ。そんな24時間テレビ、誰が見るんだ?」と投稿した。この考えに対して反対コメントが殺到したが、「別にギャラ貰ってもいいんじゃないか?仕事なんだから ただ貰ったギャラの半分ぐらいは寄付するくらいの気持ちでやって欲しいが」「仮に自分が出演者なら24時間フル、又は一部でもノーギャラで仕事というのは仕事の内容に影響が出てしまいます」と賛同意見もあった。
今回の「ギャラ金額報道」に対しても、「別に募金からギャラが出てるわけじゃないんだから良いだろ 真っ当に労働で得る金だし局は出演して貰うんだからギャラ出さないわけにはいかない」「ノーギャラで少ない募金額よりギャラ払って高額の募金集めた方がいいに決まってんじゃん」という意見もある。
なお、12年度の24時間テレビ募金額は11億6847万円で、福祉車両の贈呈や身体障害者補助犬を普及させる活動、環境保護活動、災害援助に利用したと公式サイトで報告されている。