千石船(=写真)が入港した7月31日に引き続き、きのう(8月5日)も小名浜港へ行ってきた。
いわき・ら・ら・ミュウの店で売っている、とがった貝のブレスレット(私には「貝」ではなく「煮干し」にしか見えないのだが)を、カミサンが買った。100 円だ。知り合いの若い女の子が気に入った。するとまた、何個か買ってほかの若い女の子にもあげることにしたらしい。女性の心理はなんとも……。
埠頭をひたひたとたたく波を眺めていると、いわきからちょっと北にある原発の汚染水に思いがめぐっていく。わが家の茶の間にいる今も、汚染水の行方が気になってしかたがない。海に流れ出ているという。海に流れ出ないように遮蔽措置を取ったら、地下水の水位が上がってきたという。地面からあふれでるのも時間の問題ではないのか。
石川啄木の歌集を開く。海をながめていたら、「東海の小島の……」の歌が思い浮かんだせいかもしれない。「大海(だいかい)にむかひて一人/七八日(ななやうか)/泣きなむとすと家を出(い)でにき」。啄木の泣きたい理由はわからない。が、福島県の浜通りの人間は今、原発汚染水のニュースに"一怒一憂"を繰り返している。
山が、海が、地球が汚される。海洋汚染の懸念が大きくなっている。「綱渡り」という言葉があるが、その綱が危ない、すり切れてブツリといきはしないかという恐れ。なにがなんでも手を打ち続けてもらわないと困る。「手も足も出ない」などといってくれるなよ、東電さんよ、国よ。あのとき以来の「そこにある危機」に、とがった貝以上に神経がとがる。
(タカじい)
タカじい
「出身は阿武隈高地、入身はいわき市」と思い定めているジャーナリスト。 ケツメイシの「ドライブ」と焼酎の「田苑」を愛し、江戸時代後期の俳諧研究と地ネギ(三春ネギ)のルーツ調べが趣味の団塊男です。週末には夏井川渓谷で家庭菜園と山菜・キノコ採りを楽しんでいます。
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