TPP交渉と同様、コメなどの農産品の例外扱いという方針を転換?
このため、ASEANの要求通り、自由化率を95%まで引き上げるには、これまで例外扱いとしてきた農産品を関税撤廃の対象とする以外に方法がない。しかしTPP交渉と同様、コメなどの農産品の例外扱いという方針を転換するには国内農業関係者らからの反発は避けられず、「95%はとても現実的とは言えない数値」(政府関係者)といえる。
日本との貿易依存度が高いASEANが「日本への配慮を欠いた強硬姿勢に打って出てくるとは思えない」と、政府関係者は95%の要求に対しては冷静な受け止めをしている。だが、各国のレベルから見て明らかに見劣りする低い自由化率を、日本だけがいつまでも維持できるとは言えない。特に、日本は米国や欧州連合(EU)が踏み込めないRCEPという領域で主導権を握りたいという思惑を抱いており、自由化率の改善は将来的にも避けて通れない課題といえる。