国を挙げ「旭日旗追放」に猛進する韓国だが、意外にも、一般の国民にはこの動きを冷めた目で見ている人が少なくないらしい。特に若い世代からは、「旭日旗の何が悪いの? かっこいいじゃん!」なんて声もあるというから驚きだ。
「旭日旗Tシャツ着る我が国の青少年たち 『なんとなくかっこいいから…』」
韓国三大紙の1つ「東亜日報」に2013年8月7日、こんな記事が掲載された。その行間からは、韓国人記者の渋面が透けて見えるようだ。
「日本軍国主義の象徴? 知らなかった」
韓国では現在、旭日旗をナチス・ドイツのハーケンクロイツと同様の「戦犯旗」と称して、大々的な糾弾キャンペーンが繰り広げられている。韓国外務省などが日本の旭日旗使用を非難するコメントを出したのを始め、新聞各紙もこぞってこの問題を書きたて、また内外の芸能人や企業が少しでも旭日旗風のデザインを使おうものなら、たちまちネットユーザーからの「総攻撃」を受ける――こうした異様な熱狂ぶりは、すでにたびたび伝えられてきたとおりだ。
ところが東亜日報は、こうした報道とはまるで正反対の状況を伝える。
「このシャツは去年買ったんだ。赤色が広がってる感じがかっこいいよね。他の友達も何人も買っていたよ。日本軍国主義の象徴? 全然知らなかった」
「旭日旗Tシャツ」を着て歩いていたという18歳の少年は、東亜日報記者の質問に「何が悪いの?」と言わんばかりの口調だ。
彼に限らず、韓国の若者たちには旭日旗をデザインしたシャツや帽子などが、根強い人気を誇っているという。K-POPの有名歌手たちも、プロモーションビデオやステージなどでたびたび「旭日旗ファッション」を披露している。こうした歌手たちの多くは、ネットユーザーによる「炎上」で謝罪を余儀なくされているが、一般の若者たちはそうした騒動とは関係なく、旭日旗のデザインを素直に「かっこいい」と受け止めているらしい。
「若者たちは、旭日旗が描かれたTシャツを堂々と着て歩いている。……軍国主義の象徴である旭日旗の意味を、まともに理解できていないのだ」
東亜日報の記者は、苦々しげにこう書き記す。コメントを求められた有識者も、「学校での旭日旗に関する歴史教育を強化しなければならない」としかめ面を作る。