サラリーマンのお小遣いはワースト更新
ここで注目すべきは、6月の全国消費者物価指数(CPI)が、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数でみると、前年同月に比べて0.2%下落したこと。下落幅は前月より0.2ポイント縮小したとはいえ、なおマイナス圏にあるのも確かで、食料とエネルギーがCPIを引き上げる「主役」であることを示している。
同時に発表された全国の先行指標となる7月の東京都区部のCPI(生鮮食品を除く)は、前年同月比で0.3%上昇した。3か月連続のプラスで、上昇幅は6月(0.2%上昇)から拡大した。けん引役は、ガソリン代と電気代だ。
総合指数は0.4%上昇、食料及びエネルギーを除く総合指数は0.4%低下した。物価は上昇基調にあるが、こちらも食料とエネルギーを除いてはマイナス圏にある。
一方、賃上げのほうは足取りが重い。大手企業が集結する日本経済団体連合会の2013年夏の賞与の妥結状況の一次集計(64社)によると、平均の前年比は7.37%伸びて84万6376円。臨時収入が増えれば、「少しぜいたくしてみようか」という気分が起きるかもしれないが、この集計には電機など、経営状況の「厳しい」ところが含まれておらず、全体の趨勢を示しているかは疑問符もつく。
新生銀行の調査によると、2013年のサラリーマン(20~50歳代男性)の「月額お小遣い」はバブル崩壊後のワースト記録を更新し、3万8457円。昼食代は518円で、弁当持参派は3割強だったという。吉野家の牛丼(並盛280円)が支持されるのも頷ける結果だ。株高で余裕のできた富裕層とは異なる、資産を持たない層のすそ野の広さをうかがわせる。
エコノミストの一部には、「賃金上昇で購買力が底上げしないなかでは、物価上昇は持続性を伴わないことが多い」との指摘もある。