「埼玉県民は代官山や自由が丘じゃ場違い」「埼玉県民の事バカにしてるよな。残念ながら代官山なんて中途半端なおしゃれな街は行きませんw」
東京都民と埼玉県民の大論争がネット上で巻き起こっている。
きっかけは、日刊SPA!(電子版)の2013年8月4日付記事「副都心線乗り入れで代官山住民が困惑したことベスト10」だ。
民度の高い東横線住民「こうなるのはわかっていた」「関所を作ってはどうだろう」
それによると、西武線・東武線と直通する東京メトロ副都心線と、東急東横線の相互乗り入れが開始され、埼玉県から東横線沿線へのアクセスが良くなった結果、「田舎のヤンキー」風の人々が代官山にやってくるようになってしまい、周辺住民が迷惑しているという。
代官山は東横線渋谷から一駅、恵比寿や中目黒にも近く、芸能人らが多く住む高級住宅街として知られる。駅周辺にはオシャレな店が立ち並び、旧山手通り沿いは大使館があるためか独特の雰囲気がある。
そんなところへやってくる「場違い」な人々の特徴として記事では、わざわざヤン車で遊びにくる、上下ジャージで闊歩、クロックスを(偽物含)履く人が多い、コンビニなど道端での座り込み、変なキャラクター物のグッズを身につける――などをあげる。ヤン車とは「ヤンキー(仕様)の車」の略で、窓にスモークを張ったものや車高を下げたもの、マフラーを改造して排気音を大きくしたものなど、各種改造が施された車のことを指すらしい。
「これは埼玉差別だね」「バカにしてるよな。残念ながら代官山なんて中途半端なおしゃれな街は行きませんwなら下北沢のほうがぜんぜんいいっすw」「東京なんて埼玉人のおかげで発展したのに何調子に乗ってるの?」――ネットでは早速、この記事に噛み付く埼玉県民が現れた。
一方で、東京都民からは「こうなるのはわかっていたので、東横線副都心線直通は辞めて欲しかった。他の線から移るとわかるが、東横線住民の民度の高さは突出している」「渋谷と池袋だって相容れないんだから。代官山や自由が丘じゃ副都心線は場違い感が半端ない」「今まで池袋→新宿→渋谷の分厚い三段壁に守られてたのに、副都心線でぶち抜いちゃったもんなwさいたまーーが来るぞーーー!!!」「平日もカッペのお登りさんが大挙して訪れているから騒がしくて静かに暮らせないよ」「あー、これはきついな ブクロ民が攻めてくるのか」「関所を作ってはどうだろう。快適になるはずである」(ママ)などと口さがないコメントが。この応酬に神奈川県民までもが参戦し、「(記事中のヤンキーは)埼玉県民だな。横浜市民はそんなことないな。川崎市民は可能性ありだな。でも横浜はもっと災難だよ、総武線―横須賀線で千葉県民、今度は埼玉県民だよ。勘弁してくれ」などと愚痴りはじめた。
「乗り入れ前から修学旅行生とかいっぱい居た」「昔から観光地だよ」
なお、記事で言われているような車でやってくる人がなぜ「電車の相互乗り入れ」の開始とともに増えたのかは不明だ。ただ、代官山エリアは11年12月に「大人の知的好奇心をくすぐる」が売りのオシャレな「代官山 蔦屋書店」が開店してから活気づき、新規出店も相次ぐ。相互乗り入れを受け、「お出かけ先」として注目を集めているのかもしれない。
実際に記者が代官山を訪れると、平日にも関わらずかなりの人が歩いていた。ほとんどはカップルや女性グループで、携帯の地図やガイドマップを開いたり、スーツケースをひいたりしながら散策を楽しんでいた。一方で、マクラーレンの高級ベビーカーを押す母親や、スーパーの袋を抱えて歩く地域住民の姿も見られる。ただ、いずれもファッションには気を遣っているように見受けられ、上下が安物のジャージだったり、キャラクターもののグッズを履いていたり、足元がだらしなかったり、といった「浮いている」印象の人はいない。
駅近辺の飲食店や服屋で聞いてみても、客足が増えたのは確かだが街の雰囲気が大きく変わったとは感じないという。コンビニ店員に座り込みなどで迷惑しているかときいてみると「とくには…」と首をかしげる。いわゆる「ヤン車」も見られず、町を走るのはタクシーかベンツやBMWといった外車だけだった。
ネットでも「乗り入れ前から修学旅行生とかいっぱい居たし。メンズファッション誌片手の中学生にお店の場所とかよく訊かれたな。でもほんとうに『ガラの悪いひと』は芸能人だと思うけどね」「昔から観光地だよここは」と、本当に記事で書かれているようにヤンキーが増えたといえるか疑う向きも出ている。