民主党、日本維新の会、みんなの党所属の中堅若手議員が野党再編に向けた動きを活発化している。2013年8月5日には若手議員9人が会合を都内で開き、13年9月にも社会保障や行政改革の勉強会を立ちあげることで合意した。
この背景には、みんなの党の渡辺喜美代表と江田憲司幹事長の対立が激化しているのに加えて、民主党では参院選惨敗後も続投を表明した海江田万里代表への反発が強まるなど、自らが地盤としている所属政党がぐらついていることが背景にある。
ブログで会合参加報告するメンバーも
メンバーは13年5月頃から会合を重ねてきたが、参院選後に開くのは初めて。柚木道義衆院議員(民主党)は会合後に
「やっぱり我々若手が核になって、もうひとつのしっかりした軸を作り上げていく」
と野党再編に意欲を見せた。
遠藤敬衆院議員(日本維新の会)は、ブログに
「志を同じくする若手政治家とともに!」と題して、
「昨晩は、日本維新の会、民主党、みんなの党の3党の、志を同じくする若手議員同士で会合を行いました。5月の時と同様、メディアにも取り上げられております」
と会合参加をアピール。ブログでは会合を報じた記事2本にリンクを貼っており、リンク先の記事では
「野党の再編に向けた環境整備の一環」(NHK)
「民主党やみんなの党内は上層部内の『内紛』が収まらず、地盤が固まっていない若手らが危機感を募らせていることが背景にある」(産経)
と会合が開かれた背景が解説されている。遠藤議員がこの解説に納得しているかどうかは明らかではないが、自らの活動がメディアに露出していることを強調したいようだ。
民主党内からも社保改革3党実務者協議離脱に疑問の声
小川淳也衆院議員(民主党)も、同日22時半過ぎに、ツイッターで
「東京での会合を済ませ急いで夜行列車乗りました。明日、朝一番、広島の原爆追悼式に参列します」
と短く触れた。翌8月6日午前には
「民主党の三党協議からの離脱が言われています。しかし、社会保障国民会議が提唱した、全世代型社会保障の構築、年齢別から能力別への負担の移行、的を得ていると思います。生涯現役型の雇用、全世帯型負担への置き換え、フラットな社会の構築が不可欠です」
ともツイート。民主党は社会保障国民会議の最終報告を不満として自公民3党の実務者協議の離脱を決めている。このことを批判しているともとれるツイートで、執行部との距離感をうかがわせる。
実際、各野党の上層部ではゴタゴタが続いている。
日本維新の会の橋下徹共同代表と石原慎太郎共同代表との距離は参院選後も埋まらないままだ。民主党で7月26日に開かれた常任幹事会では、前原誠司元政調会長や野田佳彦前首相を支持する議員グループのメンバーが「参院選惨敗の責任をとる」として続々と辞意を表明。露骨に海江田万里代表と距離を置き始めた。なお、前原グループと野田グループは、比較的再編に前向きだとされている。
渡辺代表が再編論けん制「今までの政界再編は、残念ながら『切り張り再編』」
みんなの党も荒れ模様だ。江田幹事長は政界再編にはきわめて積極的な立場で、7月29日のブログには
「みんなの党は『結党宣言』(2009年8月)でも、今年の『運動方針』(2013年1月の党大会採択)でも、『更なる政界再編』を目指していくと謳われているのだから、『政治理念』や『基本政策』の一致を大前提に、そうした原点を持つみんなの党として、野党再編・政界再編を主導していく、積極的に進めていくことが必要だろう」
とつづった。
逆に渡辺代表は慎重な立場で、8月5日の両院議員総会で
「今までの政界再編は、残念ながら『切り張り再編』の連続だった。こうした『切り張り再編』の教訓を我々は学んでいかなければならない。新進党から始まって、民主党と自由党が合併した今の民主党。そして、こうした政界再編の失敗を教訓にして、我々は、まっとうな政治勢力の結集、これを行っていかなければならない」
と江田氏をけん制するともとれる発言をした。
みんなの党は8月7日にも両院議員総会を予定しており、渡辺代表が党執行部の人事案を提示する。江田幹事長が更迭されるとの観測もあり、仮に更迭された場合は、野党再編の動きがが一気に加速する、との観測もある。