「近所のスーパーからサバ缶が消えた」「サンマ缶ばかりだ」―――ツイッターで「サバ缶」がスーパーで買えなくなったという報告が相次いでいる。実際に都内のスーパーに問い合わせると売り切れていたり、一人一缶のみという制限がかかっていたりするところもある。
テレビ番組のダイエット特集で、サバ缶を食すと、やせるホルモンが大量に出る可能性がある、などと説明したのが原因のようで、納豆、バナナに続くパニックに発展しそうな気配もある。
「やせるホルモン」を出す細胞を刺激する食材と説明
サバ缶が売れまくる原因になったとされる番組は2013年7月30日放送の朝日放送「たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学」の特集「やせるホルモンで病の元凶【肥満】を解消SP」。まず、スリムな人が多いという山形県村山市の食生活を紹介し、スーパーで買い物をする人の特徴はサバ缶を買うことであり、サバ缶を使った料理を市民はたくさん食べているとした。
スタジオに登場した肥満治療の第一人者、小田原雅人東京医科大学主任教授は、どんな人の身体の中にもあるホルモン「GLP―1」がその鍵になると説明した。
「GLP―1」は必要以上の食べ過ぎを抑えて、糖分が腸で緩やかに吸収される働きを持つ「やせるホルモン」であり、小腸を刺激する食べ物を摂ることによって分泌が促進する。その食べ物とは、食物繊維と、サバ缶だと説明した。画面にはマルハの「サバの水煮缶」が出た。鯖のような脂の乗った青身魚はEPA、DHAが豊富に含まれていて、このEPAが「GLP―1」を出す細胞を刺激するのだという。
この番組は「やせる努力をしなくてもやせられる物質が存在する」などと煽っていたため、ダイエットに興味のある人たちはすぐに飛びついてしまったようだ。ネットではすぐに「サバ缶でやせられるらしい」という情報が飛び交い、放送の翌日からはスーパーのサバ缶が見る見る売れていったようだ。そして13年8月6日のツイッターには、
「スーパーからサバ缶が消えたらしいね」
「品薄で申し訳ありませんって紙が貼ってあった」
「サバ缶いつもあるワゴンはサンマばっかりでしたw」
などといったつぶやきが出ている。