デジタル時代の新聞はどうあるべきか 回答が出ないまま、ワシントン・ポスト紙、アマゾンCEOに250億円で売却

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社名を変更し、教育・メディア企業として活路を見いだす

   ベゾスはワシントン・ポスト紙社員への声明文のなかで新聞作りへの意気込みを以下のように表現する。

「今後もちろん変化があるだろう。だが地図は存在せず、経路を変えることは容易でない。発明が必要だ、つまり実験することが必要なのだ。我々の試金石は読者だ。読者の関心を理解し、そこを出発点にして紙面作りをする。私は発明の機会に興奮を覚えるだけでなく楽観的でもある」

   ベゾスは同紙の日常業務に関与する意図はなく、現在の経営および編集の幹部を残留させる計画だという。当面は現状を維持しながら徐々に実験を展開することになるだろう。だが、個人資産が総額232億ドル(約2兆3200億円)とも推測されるベゾスだけに懐はびっくりするほど深く、本気になって新聞改革に取り組めば、ワシントン・ポストの救世主になるかもしれない。

   一方、親会社のワシントン・ポスト・カンパニーは近く社名を変更し、教育・メディア企業として活路を見いだすことになる。新聞事業は全収入に対する比率が2012年度で約14%しかなく、そのうえ出血が止まらない状態だったので、同社の今後の展望を考えれば、今回の決断は株主から拍手で迎えられるだろう。

   一つの時代が終わったのであろう。

在米ジャーナリスト 石川 幸憲

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