「特定の人物に向けた罵倒や嫌がらせは禁止」――ツイッターにこんなルールが追加された。イギリス版の公式ブログが公表した。今後、ツイッターは攻撃的なツイートをユーザーが直接通報できる仕組みを整えていくという。
日本でも有名人に対して「死ね」などと罵倒のツイートが送られ、たびたび話題になるが、イギリスでは問題はより深刻だったようだ。
女性運動家や女性記者に爆破・レイプ予告
英国では特定のユーザーに対するレイプや爆破予告が相次いで大問題化し、ツイート通報ができるよう嘆願する署名運動が起きていた。
事の発端はイングランド銀行(英中央銀行)が、新10ポンド紙幣の肖像画に「高慢と偏見」などで知られる英女性作家のジェーン・オースティンの採用を発表したことだ。実現に向けロビー活動をおこなっていた女性運動家らのツイッターアカウントに、2013年8月はじめにレイプ予告や脅迫的な内容のふくむ嫌がらせのツイートが、複数の人物から大量に送りつけられた。
この他、英ガーディアン紙、英インディペンデント紙、タイム誌の女性記者らに爆破予告などのツイートが寄せられた。ほとんどは匿名のミソジニー(女性嫌い)からと見られ、ツイートは「レイプ」「セックス」と繰り返すほか、「女は台所にいろ」など、粗暴な言葉が目立つ。
これを受けて、英国ではツイッター社に「ツイート通報ボタン」の設置などの対策を求める電子署名運動が起こり、約12万4000の署名を集めた。また、「攻撃」をおこなった20代男性2人が逮捕された。
こうした中、ツイッター社は13年8月3日、こうした嫌がらせ行為への対応要員を増やすとともに、ポリシーを以下のように改めると発表した。
「Twitterは、異なる意見、意図、観点を持つユーザーで構成される、グローバルなコミュニケーションを提供するプラットフォームです。コンテンツに関する意見の調整やユーザー間の紛争を仲裁しないことがTwitterのポリシーです。ただし、特定の人物に向けた罵倒や嫌がらせはTwitterルールやサービス利用規約違反と見なされる場合があります」