消費意欲強く、「食べたいもの食べている」
一方、ファミリーレストランでは、「ステーキ」が人気だ。「ロイヤルホスト」を展開するロイヤルホールディングス(HD)は売り上げを順調に伸ばしていて、客単価も上がっているもよう。
吉野家ホールディングス(HD)は、子会社の「どん」が運営するステーキ店「フォルクス」の全店改装に乗り出している。2013年3~4月には7か店を改装。木目調の落ち着いた雰囲気の内装に切り替え、同時にメニューもコース料理(2980~3980円)を導入するなど、高価格帯メニューの充実で客単価を引き上げる。
客単価の上昇と運営の効率化で、改装した店舗の営業利益率は6~8%から12%に改善。吉野家HDは「改装効果は上がっています」と話している。
とはいえ、値上げの背景には円安の影響や穀物価格の上昇や高止まりがある。たとえば、コメにしても2012年から業務用に利用される輸入米の値上がりが続いている。小麦、大豆などの穀物価格は2年前に比べてトウモロコシや大豆は約2倍、小麦はじつに約3倍にまで高騰している。
2013年7月にも小麦やパン、食用油にマヨネーズなどが値上がり。10月には牛乳も値上げも決まっている。外食各社が値上げせざるを得なかったともいえるのだ。
前出のSMBC日興証券の岩下真理氏は、「外食に限らず食品の値上がりは、まだ(品目が)広がるし、続くでしょう。ただ、これまで消費者は悩まず安いものに飛びついていましたが、それはなくなりました。数字のうえで外食業をみても、都心部を中心に消費者が食べたいものを食べているようすがうかがえます」と話している。