ジブリアニメ「天空の城ラピュタ」が2013年8月2日、金曜ロードショーで放映される。
これまで13回放映され、最近のネットでは劇中と同じタイミングで「バルス」と書き込むのが恒例だ。
今回も「『バルス』のツイッター世界記録奪還を」という呼びかけが広まり、ネットユーザーらは浮き足立っている。
「期日前バルス」も大流行
「バルス」とは「天空の城ラピュタ」の物語クライマックスで唱えられる「滅びの呪文」だ。「天空の城ラピュタ」はだいたい2年に1度のペースで金曜ロードショーに登場する。
そのたびにネットユーザーらは劇中と同じタイミングで「バルス」と書き込むことに腐心し、さまざまなサービスを陥落させてきた。
たとえば09年11月20日の放映時には、2ちゃんねるで実況用のサーバーを粉砕した。11年12月9日の放映時にはその教訓から、ラピュタの実況がおこなわれる板だけを別のサーバーに隔離するという厳戒態勢をとったが、やはりそこだけがサーバーダウンしてしまった。同時中継企画をしたニコニコ生放送も沈没、さらにTwitter(ツイッター)では当時史上最大となる瞬間ツイート数(1秒で2万5088回)を記録した。ちなみに、この記録は2013年1月1日、日本を含む地域が新年を迎えた際の「あけおめ」ツイート(1秒で3万3388回)に破られている。
いまや「ラピュタ」放映はネットユーザーの間で一大イベントというわけで、放映前から大きな盛り上がりを見せる。6月27日には「バルス中止のお知らせ」として、ツイッター公式が「バルス」を控えるよう呼びかけているとのデマが拡散した。2日午前には「サーバーの負担にならないよう今のうちに」「練習」などの名分で「期日前バルス」が大流行し、トレンド入りを果たした。
「いま再び『世界一』へ」――そんな中、今回「バルス」にツイッターの世界記録を奪還させようという動きも。ニコニコ動画では「バルス祭り ニコニコ会場」をオープン、クリックするだけで「バルス!」と投稿できるボタンを設置した。また、過去の放送をもとに「バルス」のタイミングをカウントダウンする「バルス時計」なるサービスも登場した。
Twitter公式「今回の『バルス』がどうなるのか楽しみ」
ちなみに、「バルス」のタイミングは本編開始から1時間55分5秒後となっており、今年は23:22:45前後と予測されている。
それにしても、これだけ盛り上がっていて各種オンラインサービスは大丈夫なのか。オンラインゲーム・ドラゴンクエストXの運営陣はツイッターで「みんなで一斉に『ワロs、じゃない『バロス』とか言うと、チャットサーバーとかあちこちが過負荷で落っこちるかもしれないので、お手柔らかにお願いします」「バルスが本当に怖いっていうね」とぼやく。また一般の人からも「別に示し合わせしていないのに,なぜか一斉にバルスとツイートした結果世界記録が出ちゃったから『愛すべきバカ』でいられるのに,世界記録を更新するためにみんなでやりましょー!なんてやってたら,サーバー攻撃する『ただのバカ』になっちゃうよ」と諌める書き込みも。
ただ、もっとも書き込みが集中するサービスの一つと見られるツイッター日本版の公式アカウントは、
「Twitterの上では数日前から盛り上がりを見せていますが、今日の夜9時から日本テレビさんで『天空の城ラピュタ』が放送されますね。今回の『バルス』がどうなるのか楽しみです。(サーバーが持ちこたえますように!)」
と余裕のコメントだ。
果たして「バルス」はネットでも「滅びの呪文」となってしまうのか。「天空の城ラピュタ」は21時から「金曜ロードショー」(日本テレビ系列)で放映される。