遺跡、遺構としての整備や維持管理の費用も大きな壁
特に、震災遺跡、遺構としての整備や維持管理の費用も大きな壁だ。これらは原則として市町村の負担。岩手県大槌町では職員約40人が犠牲になった旧庁舎に関して、玄関や正面部分を保存すると決めたが、1億数千万円にのぼると試算される費用を工面できるめどは立っていない。
これらは、観光目的というわけではないが、慰霊と観光に結びつけば、広島や長崎がそうであるように、まさにダークツーリズムになる。
震災後、「県産品を買って支援しよう」という人々が大勢おとずれて売り上げが大幅に伸びたた被災3県の東京のアンテナショップは、ここにきて客数、売り上げとも低迷しているという。避難生活の長期化など、現地で困難な状況が続く中、震災の記憶も薄れがちと指摘されるだけに、「ダークツーリズム」の活用も、被災地支援のために重要だ。