雨期を迎えている韓国で、現地当局が食中毒の注意を呼びかけている。食中毒についての注意喚起は日本でも一般的だが、日本人にとってショッキングなのは、サンプル検査で大腸菌がかなりの割合で検出されたという点だ。
在韓国日本大使館もこの点を重く見たのか、韓国側の発表資料を翻訳してウェブサイトに掲載。日本人向けにも注意を呼びかけている。
菌が検出された店に対しては営業停止などの行政処分
韓国の食品医薬品安全庁では、6月17日から7月3日にかけて、夏に多く消費される食品を調理・販売する店や大型スーパーなど全国1599か所で冷麺など2038件を検査し、その結果を2013年7月18日に発表した。
検査対象は、(1)冷麺、コングクス(豆乳に麺を入れた料理)775件、のり巻き・寿司822件、弁当85件、かき氷・サラダ295件、食用氷61件の計2038件。
そのうち2.9%にあたる59件で大腸菌などが検出され、地方自治体に営業停止などの行政処分を依頼した。
菌が検出された内訳は冷麺、コングクスから大腸菌47件、のり巻き8件から大腸菌、4件から「セレウス菌」と呼ばれる食中毒の原因になる菌が検出された。弁当、かき氷・サラダ、食用氷からは検出されなかった。
大腸菌は腸の中に存在することから、食品から大腸菌が検出されるということは、糞便で水が汚染されている可能性を示している。セレウス菌は土など自然界で広く分布しており、高温にも耐えることで知られている。
現地でも事態を重く見たのか、菌が検出された59件の店舗名と住所を公表。全体の28.8%にあたる17件がソウルと近郊の仁川(インチョン)が占めている。