JRグループのお得な1日乗り放題乗車券「青春18きっぷ」を利用途中に誤って捨ててしまった人物が、JRの責任だから再発行しろ、などと「ツイッター」でつぶやいた。すると、批判が殺到し「炎上」、「ツイッター」のアカウントが削除された。
この人物は「青春18きっぷ」を購入した際に、切符と一緒に切符とそっくりな紙が4枚付いていたため、この4枚も切符だと思い、一度使用した、本物の切符を捨ててしまった。
値段は大人、子供同額の1万1500円
「青春18きっぷ」というのは夏休みや冬休みなど長期休暇に合わせて販売される期間限定のきっぷで、2013年夏は7月20 日から9月10日まで利用可能だ。誰でも購入でき値段は大人、子供同額の1万1500 円となっている。期間中の5日間に限って全国のJR線の普通・快速列車の普通車自由席、BRT(バス高速輸送システム)、JR西日本宮島フェリーで自由に乗り降りできる。また、チケット1枚を複数人で利用することができ、5人で1枚を利用する場合は日帰りで列車の旅なども可能だ。
騒ぎの発端になったのは2013年7月25日にある人物が、生まれて初めて「青春18きっぷ」を買ったと「ツイッター」で報告したこと。別府から長崎まで列車に乗ると8時間32分かかるが、6200円の電車代が2300円に節約できると自慢した。「青春18きっぷ」は1日1回、計5回利用できるため、2300円というのは購入代金の1万1500 円を5で割ったものだ。
そして1日だけ「青春18きっぷ」を使った後に、「本物」を捨ててしまったのだという。
「青春18切符は買った時、小さな封筒に切符を五枚入れて渡してくれる」
と誤解したようだ。
そして、
「先日、1枚目を使い長崎までやってきて、もう用無しなので、写真だけ撮って捨てた」
というわけだ。「ツイッター」にアップされた写真には別府駅で押されたスタンプが一つだけ押されていた。「青春18きっぷ」を使い切った場合はスタンプが全部で5つ押されているはずだ。
この人物は「残りの4枚」のうちの1枚を封筒から出したが、捨てた切符と違う事に気が付いた。駅員に聞いてみるとこれは「青春18きっぷ」の案内が書かれているものだと説明された。そして、購入時に何の説明もなかった、と怒りが込み上げてきたようで、
「青春18切符5回分として切符らしきものを5枚、封筒にいれて渡してもらえば、知らない人は勘違いする事もあるんじゃないのか?」
として、「説明に不備がなかったとは言えない」と駅員に「再発行」をするように食い下がった。しかし、勘違いしたのはそちらが悪いといわれ、
「クレーム対応として如何かと感じる」
と駅員を批判した。
ここまでならひと夏の失敗談として笑い話にできたのかもしれないが、よほど腹に据え兼ねたのか上から目線でJRの批判を続けた。
96年春まで「青春18きっぷ」は5枚綴りだった
13年7月28日には、
「過去に何度か同じ様なクレームはあったはずで、その都度、単なる言いがかりとして現場が『お客様の責任です』で終わらせていたのだろう」
「JR職員の対応が余計に気になった。彼らは疑問を持つ事なく、今日も一生懸命働いたと満足して一日を終えるのだろう。仕事とは当該案件の様な事からプラスの何かを生み出す事だと思うのだけど」
こうしたつぶやきがしつこすぎるとし、ネット民から集中批判を浴び「炎上」騒ぎに発展した。
「どう見間違えたらこれが全部キップに見えるんだよwww」
「自分のミスだから諦めるという選択が取れず、逆切れをし、主観オンリーで全世界に向かって自分のバカを晒す行動だ」
などといった批判が「ツイッター」やネットの掲示板に大量に出て、この人物は13年7月30日に「ツイッター」のアカウント削除に追い込まれた。
ちなみに「青春18きっぷ」は、国鉄時代の1982年春に発売された「青春18のびのびきっぷ」が前身で、利用方法は現在とほぼ同じ。当時は1日ごとの利用で5枚綴りになっていた。現在のように1枚にスタンプを5つ押す形になったのは96年春からで、利用者からバラバラに使えなくなって不便だ、などの批判が出ていた。