「余裕のある人が増えてきたことは確か」
三越伊勢丹ホールディングス(HD)の、伊勢丹新宿本店のスーツの売上高も2013年7月中旬までの累計で前年実績を20%超上回っている。
ただ、三越伊勢丹HDは「余裕のある人が増えてきたことは確かですが、それでもまだ店舗によって売れ行きにバラツキがみられます」と話す。伊勢丹新宿本店は、東京メトロ副都心線の開通効果などもあって来店客数が大幅に向上。「紳士服も婦人服も(売り上げは)堅調ですが、それが消費マインドの改善と言いきるには尚早といえます」と、慎重な姿勢を崩さない。
前出のそごう西武も、「いいモノを買いたいという人は増えていますが、買っても財布の紐を締め直す人が少なくないです。消費行動が2極化している感じがあります」と指摘する。
そうした中で、三越伊勢丹HDの13年4~6月期の連結営業利益が、前年同期比4割強増えて100億円前後になったとみられる、と日本経済新聞(7月30日付)が報じた。
4~6月期としては過去最高となる。
消費の好調を追い風にブランド品など高額商品が伸び、婦人服や紳士服の販売も上向いた。13年4~9月期(上期)の従来予想(90億円)をすでに上回っている。
日本百貨店協会は、「(百貨店へのヒアリングでも)消費マインドの改善を実感できるようになった、という声を聞くようになりました」と、強気だ。