「米国は尖閣で漁夫の利を狙っている…」
当然、中国としては面白くない。決議案の内容が明らかになって以降、中国メディアは米国に対する警戒心も露わな記事をたびたび掲載している。
たとえば中国の国営通信社・中新社は7月30日、日本の報道などを引用しながら、「アメリカ上院は事実を顧みず、中国を批判した」などと報じ、「レーダー照射事件」などに関する中国側の反論を掲載、
「米国は日本の尖閣横領を後押しするとともに、中国を封じ込める子分として利用している」
と、露骨な不快感を示した。作家・言語学者の関愚謙も27日、米国側の尖閣諸島をめぐる動きを指して、米国は日中に紛争を起こすことで「漁夫の利」を得ようと目論んでいるとの論を発表している。米国の日本寄りの姿勢に対する、中国側の不満がにじみ出た形だ。
一方、嬉しいのは日本だ。菅義偉官房長官は30日の会見で、
「海洋における力による現状変更を非難するとともに、日米安全保障条約に対する米国の力強いコミットメントを米上院として表明するものになっているということで、我が国としてはその内容を高く評価したいと思っています」
と話し、積極的に歓迎する意向を示した。