「リッター40キロの低燃費も可能」な技術
メディアやユーザーらを驚かせたのは、「HVシステム」だ。ホンダは2013年6月に高級セダン「アコードハイブリッド(HV)」でリッター30キロという、国内クラス最高はもちろん、車格を考慮すれば世界トップレベルの低燃費のHVを発売している。
新型「フィットHV」は、そのアコードHVとはメカニズムが異なり、小型車に最適な1モーターの軽量コンパクトなハイブリッドシステム(スポーツ・ハイブリッド・インテリジェント・デュアル・クラッチ・ドライブ)を新たに開発した。
「1モーターでありながら、エンジンとモーターを切り離して走ることで、モーターのみの電気自動車(EV)走行を実現」。従来のフィットHVが抱えていた、モーターのみのEV走行ができないという弱点を解消した。
心臓部は1.5リッターの直列4気筒の「アトキンソンサイクル」(高膨張比サイクル)と呼ばれる新技術のエンジン。これを高出力モーター内蔵の7速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)とリチウムイオン電池を内蔵したIPU(インテリジェントパワーユニット)に組み合わせることで、従来のホンダのHVシステムに比べて35%以上の燃費向上を達成した。
減速時に電力を蓄える回生効率を高める電動サーボブレーキシステムのほか、エンジンの負荷を低減するフル電動コンプレッサーなどの先進技術も燃費の向上に貢献。ホンダ関係者によると、「リッター40キロの低燃費も技術的には可能」としているが、今回はクルマとしての走りのバランスを考えたという。
7速DCTと聞くだけで、ホンダらしい走りのよさを予感させる。