あおぞら銀行会長人事で憶測広がる
もう一つが地銀の再編だ。そうした見方を強めさせているのが、全国地方銀行協会の福田誠専務理事が6月下旬、あおぞら銀行会長に就任した人事。旧大蔵省の金融畑出身の福田氏は2002年6月から11年間、地銀協専務理事を務め、業界事情を知り尽くす。旧日本債券信用銀行時代から金融債の売買で地銀とのつながりの強いあおぞら銀行はもともと「再編の受け皿」に有力視されていたが、福田氏の会長就任は、再編が進むのではという見方を裏付けるものとされる。
確かに、都市銀行は1990年代後半以降に破たんや経営統合が相次ぎ、今や3メガバンクとりそなグループ、および三井住友信託銀行に収斂したが、地銀の再編はあまり進んでいない。それぞれの地域で「一国一城の主」としてさほど競争にもさらされずに商売できたことなどが背景にある。
金融庁などが問題視しているのは地銀の融資力が落ちていること。運用先となる中小企業を開拓せず国債ばかり買っている地銀も散見され、「郵貯化している」と指摘する政府関係者もいる。とはいえ、弱者連合的な統合で問題が解決するわけでもなく、続投長官の次の一手が注目される。