「『あまちゃん』出演タレントは、参院選で政党を応援したが特定候補を応援していなかったので、番組の放送を延期しなかった」。NHKが会見などでこのような内容の説明をしたと報じられたことに対し、ネット上で疑問が相次いでいる。
NHKを巡っては、EXILEメンバーが出演する2013年7月12日のEテレ番組が、選挙後に放送を延期される事態になった。メンバーが自民党候補を応援している写真が候補のブログなどに載っており、政治的公平性に配慮したというのがNHKの説明だった。
「EXILEのときと対応が違う」と疑問の声
その後、朝ドラ「あまちゃん」に出演する女優の渡辺えりさん(58)が、共産党を応援するコメントをしたことが分かった。えりさんは、赤旗が14日に参院選を特集した記事で、「常に弱者の立場で発言してきた共産党に期待したいです」などと語ったのだ。
ところが、あまちゃんは、えりさんが出演した回でも、選挙期間中に放送が延期されることはなかった。これに対し、ネット上では、「EXILEのときと対応が違う。ダブルスタンダードだ」と次々に疑問の声が上がった。
メディアでも問題視する向きがあったようで、産経新聞の記事によると、石田研一NHK放送総局長の24日の定例会見で、この点について質疑が集中した。
石田総局長は会見で、あまちゃんの放送延期について、「もちろん検討した」と明かした。しかし、今度の場合は、「ドラマへの出演により政治的公平性に疑念を持つかということで、そうではないだろうという判断になった」と答えたという。ブログはダメで機関紙はOKということはないとし、「書いてある中身とか、選挙の関わり方とか、番組の中での役割がある」と述べた。
さらに、EXILEの番組との違いを突っ込まれると、「著しい違いかは分からないが、非常にはっきりとした格好でどの方を応援するかを言っているので、一般原則からいって判断した」と釈明した。