万が一には尖閣「奪還作戦」に?
海兵隊構想の念頭にあるのは、緊張が続く尖閣諸島周辺での有事だ。防衛省の2013年版防衛白書では具体名こそ挙げていないが、「(他国の侵攻に対し)状況に応じ、島嶼の奪還を行うことも必要になる」と、新設される「海兵隊」が、万が一の場合には尖閣などの「奪還作戦」に従事する可能性を記す。
それだけに、中国は敏感に反応している。中国の国営通信社・中新社は15日、防衛大綱に「海兵隊」構想が盛り込まれる見込みだと報じ、「中国側の強い反対を招き、かえって緊張を高めることになりかねない」と警告する。対日強硬論で知られる環球時報も9日、
「日本が『海兵隊』を創設、釣魚島(尖閣諸島)『奪島作戦』を執行するかもしれない」
と見出しを打った。ニュースサイト「財訊」はさらにどぎつく、こんな見解を掲載する。
「『海兵隊』構想は単に中国に向けられたものではなく、第2次大戦後の世界秩序を破壊し、軍国主義を復活させようという危険な伏線だ」(17日)
こうした「海兵隊」構想を盛り込む新防衛大綱は26日の中間発表を経て、年末までに最終的にまとめられる予定だ。