日本IBMは解雇を告げたその日から会社に来させないようにするロックアウト解雇を今も続けていると、労組側が取材に明らかにした。IBMでは、「訴訟中なので、コメントは控えたい」としている。
業績不振が続く電機業界では、リストラの報道がここ数年相次いでいる。日本IBMも、2012年5月に社長が外国人に代わると、さらに徹底したリストラの可能性が報じられた。
労組は、組合員だけで26人解雇と明かす
ロックアウト解雇については、全労連系の労働組合「JMIU日本アイビーエム支部」が、その2か月後に組合員1人にあったとサイト上などで報告して明るみに出た。その後は、同様に解雇される社員が相次ぎ、12年10月15日には、3人が解雇の撤回を求めて東京地裁に提訴した。
しばらくは解雇がなくなったが、13年5月になって再開され、社員2人が6月20日に2次提訴した。この時点では、23人がロックアウト解雇され、うち19人が組合員だったことが分かっている。
JMIU日本アイビーエム支部では、取材に対し、6月末にさらに組合員7人が解雇されたことを明らかにした。
サイト上の報告によると、その解雇の仕方はほとんど同じだった。まず、対象の社員は、17時ごろに進捗報告などの名目で上司に会議室などに呼び出される。すると、人事部の人が入ってきて、いきなり解雇予告通知を読み上げる。社員がもし自主退職すれば、解雇を撤回して退職加算金を用意するとも告げる。そして、荷物をまとめて置いて、IBM終業時間の17時36分までに会社を出なければならなかったというのだ。荷物は宅配便で自宅に送られている。
どの社員も、解雇の理由は、次のようなものだった。
「貴殿は、業績が低い状態が続いており、その間、会社は職掌や担当範囲の変更を試みたにもかかわらず業績の改善がなされず、もはやこの状態を放っておくことができないと判断しました」