試合の「盛り上がり」でMVP決めてもいいのでは?
引き分けの第1戦は巨人の沢村がMVP。ここも勝負無しなら投手のあと外野を守った大谷を表彰してもよかった。走者二塁の場面で、左翼手として飛球を捕ったあと、ノーステップで二塁へ投げて併殺を狙ったプレーは、放映したテレビの解説者が絶賛したものだった。ピッチングと合わせて十分MVPに値した。
大リーグのオールスター戦ではヤンキースの抑えリベラが1イニングを3者凡打だけでMVPに選ばれた。「今季限りで引退」を表明していることから、外野のブルペンからマウンドに向かったときはファンがスタンディングオベーションで迎え、大いに盛り上がった。そういう状況を見て表彰を決めるところはさすがである。残念ながら日本のプロ野球にはそういったプロの考え方が欠如している。大谷の存在が本塁打ゼロの批判を消し去ったといっていいだろう。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)