花王が「中国優先」で新商品 日本で売ってない紙おむつ投入

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   家庭用品では、日本国内で圧倒的なシェアを誇る花王が、中国市場で攻勢をかけている。中国市場での家庭用品の売上高を、2015年度までに現在の3倍以上となる年間500億円に引き上げる計画。

   中間所得層の拡大で、ベビー用紙おむつなどの需要が急増していると判断。沢田道隆社長は、「新技術を使った新製品を日本より先に投入するなど、中国市場で積極的に展開する」と語ったという。

現地生産の「メリーズ 瞬爽透気」、従来の半値近くで販売

花王は中国で「現地仕様」の紙おむつを生産している(写真は、花王のホームページ)
花王は中国で「現地仕様」の紙おむつを生産している(写真は、花王のホームページ)

   花王は中国市場で、ベビー用紙おむつや生理用品、衣料用洗剤など家庭用品を販売している。同社は「中国市場の売上高は、開示していません」としているが、一部の報道では2011年度の消費者向け事業で約150億円とされる。

   沢田道隆社長は2013年7月17日に行われた中国・上海市内での記者会見で、ベビー用紙おむつなどの需要が急増していることを受けて、2015年度までに年間500億円に引き上げる計画を披露。なかでも、「新技術を使った新製品を、中国市場で積極的に展開する」考えを示した。

   花王は2013年1月、ベビー用紙おむつでは同社で初めてとなる中間所得層向けの「メリーズ 瞬爽透気」を発売した。中国・安徽省合肥市の紙おむつ専用の新工場での、現地生産。コストの改善で、標準Mサイズで1枚あたり約24円の価格は、日本から輸出販売してきた従来品と比べて半値近く安い。

   長らく花王は中国事業で出遅れていたといわれてきたが、この新製品効果で、13年1~3月期の売上高が大きく伸びたとみられる。消費者向け事業全体の売上高は、前年同期に比べて2.5%増(為替変動の影響を除く実質は0.7%減)の2377億円だった。

   このうち、アジアの売上高は同30.2%増の269億円(同12.6%増)。同社は「日本を含むアジア一体運営の成果による着実な伸長が続いている」とし、なかでも中国では「ベビー用紙おむつを中間所得層向けに発売するなど、積極的に展開したことが奏功した」と説明している。

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