とにかく週刊誌が凄いことになっている。少し前なら「エロじじい」と嘲笑されかねないようなことを、毎週、毎週、煽りまくっているのだ。「生涯現役死ぬほどセックス」「燃え尽きるまでSEX」とけしかけ、お相手の誘い方、ベッドテクニックから精力剤、ED対策まで、いかに過激に露骨に微に入り細を穿つて見せるかを競っている。
どうやら「あちらの方もまだまだ元気いっぱい」という層を標的に、「高齢セックスもの」はなかなか人気だ。週刊誌が仕掛ける年寄りフリーセックス時代は爆発寸前の様相である。
火をつけたのは「週刊現代」、「ポスト」「文春」も
高齢者セックス記事に火をつけたのは「週刊現代」だった。当初は「熟年セックス講座 50歳から妻とやり直す その方法」と、熟年サラリーマン向けのありがちな企画だったのだけれど、「60歳から本番です 死ぬまでセックス」とやって一気に10歳も年齢が引き上がった。これが話題となって、「週刊ポスト」が「60歳まだまだ『現役』です HOW TO死ぬほどSEX」と追いかけると、週刊現代は「60歳を過ぎたら遠慮はいらない あのすばらしいセックスをもう一度」と迎え撃ち、週刊ポストも「60歳超えた恋は不倫じゃない」と、セックスも「定年延長」となり、相手も妻以外に広げた。
こうなると、もう止まらない。「さあ、あなたも『死ぬまでセックス!』実はみんなやっている 大研究 80歳でもセックス―生涯現役の進め」(週刊現代)、「燃え尽きるまでSEX 80歳まで生涯現役 死ぬまで『激(たぎ)りっ放し』宣言」(週刊ポスト)と、ついには80歳になってもセックスに励め、棺おけに片足突っ込んでもまだ頑張れと、年齢引き上げ競争に突入した。
初めは冷ややかに見ていた「週刊文春」もとうとう参入し、「60歳からのセックス『する人』『しない人』ここが違う!(1)夫婦編」「60歳からのセックス『する人』はこうして相手を見つけている!(2)出会編」と、こちらは女性読者を意識したレポートもので「中高年セックス」を取り上げる。こうした記事を今度は「週刊新潮」が「色情狂時代」とまぜっかえすといった具合だ。
いまや高齢セックスは男性週刊誌の定番ネタのひとつというわけだが、じつは週刊誌はむしろあと追いで、高齢セックスの実態はもっと先をいっているらしいのだ。