ウナギは本当に食べられなくなるのか 正念場は3年後のワシントン条約改定

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国内でも「レッドリスト」では、「反論しづらい」

   ニホンウナギについて、2013年3月に開かれたワシントン条約締約国会議では、議題にのらなかった。ただ、「米国内では会議の直前にウナギの規制が議題にのりましたし、欧州ウナギについてはすでに(ワシントン条約の)規制の対象になっています。次回、議題に乗れば、欧州などの議決権をもつ国が『保護指定』に回る可能性が高まりそうなので、議題にのるようなことになると、かなり厳しい状況になります」(水産庁)という。

   加えて、国内でも環境省が2013年2月1日に、ニホンウナギを絶滅危惧種のリスト(レッドリスト)に指定した。「過去10年間あるいは3世代のどちらか長い期間において、少なくとも50%以上は成熟個体が減少していると推定される」との基準(絶滅危惧種IB類)にあたり、ニホンウナギはアマミノクロウサギやライチョウ、イヌワシなどと同じランクに位置付けられている。

   シラスウナギも激減しているが、天然ウナギである親ウナギも、45年前から90%近く減っていることから指定されたのだが、水産庁は「国内でレッドリスト入りしては、さすがに反論しづらいですね」と漏らす。

   もちろん、ワシントン条約で絶滅危惧種に指定されれば、ニホンウナギ(稚魚)の輸入は禁止されるので、国内に約400ある養殖業者は軒並み廃業せざるを得なくなる。ウナギ店も大ピンチだ。

   日本養鰻漁業協同組合は、国の補助を受けながら、30年前からウナギの放流事業を行っている。「ワシントン条約については、なんとも言えません。ただ、ウナギ資源を保護し増やす努力をしてきましたし、続けていかなければならないと考えています」と話している。

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