AKB48といえば、今や国民的人気を誇ると言っていいアイドルグループだ。バラエティー番組やテレビCMでは毎日のようにメンバーが登場し、2013年の選抜総選挙はフジテレビ系で生中継され、関東地区での平均視聴率20.3%を叩き出すほど世間の関心を集めた。
そんなAKBのコンサートチケットの売れ行きが、意外にも苦戦しているようだ。公式ブログでは「チケット申し込みを受け付けている」と連日告知されているほか、テレビCMまで放送される事態となっている。
「こんなに払えない」と嘆くほどチケットが当たるファンも
AKB48は2013年7月から8月にかけて、コンサートツアー「AKB48・2013真夏のドームツアー ~まだまだ、やらなきゃいけないことがある~」を開催する。
7月20・21日の福岡ヤフオク!ドームを皮切りに、札幌ドームで7月31日、京セラドーム大阪で8月7・8日、ナゴヤドームで8月16・17日、そして東京ドームで8月22~25日の4日間で全11公演を行う、女性グループとして初の5大ドームツアーだ。
篠田麻里子さんが13年6月8日の選抜総選挙開票イベントで「福岡ドームコンサートをもって卒業する」と発表したこともあり、ドームツアーはチケット発売前から話題に。6月15日、モバイルサイト会員とファンクラブ会員を対象に、満を持してチケット先行抽選受付がスタート。さらに前田敦子さんが札幌ドーム公演に出演することが発表された。
激戦になるかと思いきや、6月25日の当選発表日、インターネット上では「申し込んだ公演全部当たった」の報告が相次いだ。外れることを見越して多めに申し込んだ人も多いようで、「こんなに払えない…」と嘆く声も見られた。
翌26日、AKB公式ブログで、福岡ドームの2日間、7月31日札幌ドームの計3公演を一般発売すると告知された。地方の大きなコンサート会場は満員にするのが難しいと言われており、特に札幌には今のところ48グループがない。ファンは「やはり地方の売り上げは厳しいか」と見た。
福岡、札幌で「一般3次」、東京でも「先行2次」
しかしその後、公式ブログでは全ての公演について追加申し込みを受け付けるとの告知文が掲載され始めた。
7月5日、8月7・8日の京セラドーム大阪、8月16・17日のナゴヤドーム公演で「先行2次発売」、7月8日は福岡ドーム、札幌ドーム全公演で「一般2次発売」、7月12日には京セラドーム大阪、ナゴヤドーム全公演で「一般発売」、7月15日には福岡21日、札幌公演で「一般3次発売」、さらに7月17日には東京ドームの4日間も「先行2次発売」を行うと告知された。設定した期間中にチケットが売り切れず、申し込み受付をどんどん増やしている状況と思われる。
ファンへの呼びかけにも徐々に熱が増しており、
「京セラドーム大阪公演にはNMB48の正規メンバーと研究生の全員、ナゴヤドーム公演にはSKE48の正規メンバーと研究生全員も参加いたします。地元での渾身のパフォーマンスに、熱い声援をお願いいたします!」(7月5日)
「ただ今、リハーサルの真っ只中ですが、みなさんに最高のステージをお見せしたいと、メンバー一同鬼気迫る気迫で臨んでおります!ひと夏の思い出、いや一生の思い出にぜひ観に来てください!!」(7月12日)
「篠田麻里子を観られるのはもう20日だけ!」「前田敦子が1日限定でAKB48に帰ってくる、7月31日(水)の札幌ドーム公演!」「新しいユニットの発表もございます」(7月15日)
「5大ドームツアーの本丸、東京ドーム4連戦。この夏全国各地のドームを回り、また少しだけ成長した推しメンバーの姿を観に来てください!!」(7月17日)
と、メンバーの気迫とともに「チケットをさばきたい」という気迫も感じられる。
4月の武道館コンサートは売れすぎて「立ち見席」も
さらにツイッターでは、「AKBのチケット販売のCMがたくさん流れてる」という目撃情報が多数上がっている。
北海道では、「なぜAKBは札幌でコンサートを行うのか?なぜならSPR48(札幌48)を作りたいから」という、興味を引くようなナレーションが流れるCMが連日放送されているそうだ。
どんな内容のCMかは確認できていないが、愛知、大阪、福岡でも同様のCMが流れているというツイートがあり、「CMもういいよw」「売れてないの?w」と言われてしまっている。
AKBのコンサートは「チケットが取りにくい」という印象が強く、実際13年4月25日~28日まで計6公演行われた武道館コンサートでは、チケットが売れすぎて「立ち見席」が新たに設けられたほどだった。
都内在住のAKBファンによると、前田敦子さんのAKBとして最後のコンサートとなった12年8月の東京ドーム3日間はチケットが取れなかったという。しかし今回は8月22日の東京ドームコンサートがあっさりと当たったため、拍子抜けしたそうだ。
今回苦戦しているのは、「コンサートに行きたい」とまで思うファンが少なくなってきたこと、5大ドームで平日を含む11公演はさすがにキャパシティーが大きすぎたことや、CMなどを見て興味を持った一般層がチケットを購入しようと思っても、AKBのコンサートチケット申し込みには「AKB48グループチケットセンター」というサイトへの会員登録が必要で、一般のプレイガイドよりやや面倒で敬遠されてしまう、などの理由が考えられる。
初日の福岡公演は今週末に迫っているが、果たして満員の客席でスタートすることはできるのだろうか。