高級ビールや第3のビールを増産
こうした需要動向をにらみ、各社は高級ビールや第3のビールの増産に踏み出した。特に中元の贈答品としても人気の高級ビールでは、アサヒビールの「ドライプレミアム」、サントリー酒類の「ザ・プレミアム・モルツ」など各社は増産に積極的だ。
ただ、ビール類の長期低落傾向は今後も続くとみられる。若い世代や女性を中心にビール離れが進み、1994年をピークに市場規模は縮小傾向が続き、その裏返しでアルコール度数の低いカクテルや酎ハイのほか、ワインやウイスキー、ノンアルコール飲料などの人気が高まっている。また、イオンのプライベートブランド商品「トップバリュ バーリアルラガービール」の台頭なども大手各社には頭の痛いところ。このため大手各社とも「消費者の多様なニーズをつかんでいくしかない」との考えで、ビール以外を含め、それぞれが強みを持つ酒類にも注力している。