「敵前逃亡」は米陸軍では「最高で死刑」
また軍隊を持つ大半の諸外国では、なんらかの形で軍法会議を設置している国が大半で、罰として死刑など刑法上の最高刑を科している国は少なくない。
防衛省防衛研究所の奥平穣治氏が記すところによれば、たとえば「敵前逃亡」は米陸軍では「最高で死刑」、「命令拒否・不服従」や「部隊不法指揮」「秘密漏洩」なども戦時中は死刑の対象となりうる(ただし適用例は第二次大戦以来ない)。英、独など死刑制度が廃止されている国でも、石破幹事長の言うようにそれ相応の厳しい刑罰が設けられており、それと比べれば、日本の自衛隊の刑罰は「全般的に、主要国の軍(刑)法より軽い傾向がある」という(「防衛司法制度検討の現代的意義」より、2011年1月)。「軍法会議」の設置には賛否両論があるが、石破幹事長の発言はこうした議論を踏まえたもののようだ。