米国・カリフォルニア州の町、グレンデールにいわゆる「慰安婦像」が設置されることが決まった。
これには日本側、また日系人住民からの激しい反発があったものの、決定を覆すには至らず。「強制ではなかった」「日本に限った話ではない」などとする日本側の主張は、現地社会の理解を得ることはできなかったようだ。
市は「静かな善意」のつもりと…
グレンデールはロサンゼルス近郊の町で、人口はおよそ20万人。うち1万人が韓国系住民だ。
米国では近年、韓国系住民を中心として各地に「慰安婦の碑」などを設置する動きが盛んになっている。すでにニュージャージー州では複数の例があるが、さらに西海岸としては初めて、このグレンデールにも同様の動きが出始めた。しかもソウルの日本大使館前に設置されている「少女像」のレプリカまで設置するという本格的なものだ。
費用の約3万ドルは現地の韓国系住民団体が負担し、像の制作も韓国側持ち――設置案は2013年4月、「市から韓国人コミュニティへの『静かな善意』として」(ロサンゼルス・タイムズより)すんなり可決された。市では過去にも「韓国慰安婦の日」を制定したこともあり、特に問題になるとは思っていなかった様子だ。
しかし、計画が公になると現地の日系人住民、また日本国内から猛烈な反対の声が出始めた。特に日本のネット上では、グレンデール市への抗議を呼びかける動きが巻き起こり、関係機関のアドレスや「例文」などを公開するサイトも出た。「慰安婦というのは戦時中の日本軍相手の売春業の女性」とした上で、強制連行の事実は確認できていないと主張、また朝鮮戦争やベトナム戦争でも同様の事例があったなどとして、設置に再考を促す内容だ。