政治家としての古屋氏個人の見解ではない
古屋氏によると、スピード違反など警察の交通違反取り締まりの見直し論議は「数カ月前に国家公安委員会でも委員から提案があり、警察で調査を含めてやっている」のであって、政治家としての個人的な見解ではないそうだ。
閣議後会見の前日の6月3日には、警視総監はじめ全国の都道府県警察本部長が集う「全国警察本部長会議」があり、古屋氏は国家公安委員長として「交通取り締まりは現場の苦労も多いと思うが、取り締まりに納得がいかないという声もある。取り締まりのための取り締まりになってはならない。国民の理解を得て、事故防止に資することが原点。海外を参考に、取り締りの時間、場所の検討など見直しを行っていくべきだ」と発言していた。
具体的な見直しは、警察庁内に学識経験者やモータージャーナリスト、プロドライバーや交通安全対策関係者、道路管理者らで構成するPTを設けて議論することになる。北欧などでは歩行者ゾーンや町中の狭い場所など交通事故が起きる可能性の高い所では厳格な取り締りをしており、警察庁が視察しているほか、古屋氏は全国の都道府県警に事故の多発地点と取り締りの実態調査を進めるよう指示するなど、見直し作業は実質的には既に始まっている。古屋氏の説く「本当に事故の防止に役立ち、ドライバーが納得できる取り締り」が実現するのか。今後のPTなどの動きから目が離せない。