わいせつ写真のCG加工で児童ポルノ禁止法違反 「モデル実在ならアウト」は初のケース

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「このタイミングで逮捕…『意図』を感じざるを得ない」

   ただ落合弁護士は、実在の児童をモデルにした「CGを含む絵」の場合でも、議論の余地があるとしている。「電脳空間における刑事的規制」には、「性的搾取・虐待については想像に過ぎないものや全くの想像の産物との区別が困難」との見解があるという。現行法では、人間のモデルが実在しないキャラクターは児童ポルノ禁止法の対象に含めていない。だが「モデルは存在するが、性的表現は空想で実際の場面を描いていない」という場合まで規制されるのか、線引きが微妙になるという。続けて落合弁護士は、こうも指摘した。

「実在する児童に依拠していれば絵やCGでも児童ポルノである、という考え方が強くなればなるほど、実質的に非実在のそれの取締りに近づくことは避けられず、今後の法改正の流れにおいても、本件は、1つの注目すべきケースになるように思われます」

   つまり「モデルが実在しないわいせつ画」も将来は摘発の対象とするべく、今回が最初の1歩になるのだろうか。

   児童ポルノ禁止法は先の通常国会で改正案が提出され、継続審議となっている。児童ポルノ画像を所持すること自体を禁止する案を盛り込んだうえ、漫画やアニメと、児童の権利を侵害する行為との関連性についての調査研究を検討事項として加えた。「漫画やアニメを規制対象にするのか。表現の自由に反する」と、業界団体を中心に強い反発が起きている。

   法案を巡って議論が紛糾しているなかで起きた今回の逮捕劇。漫画・アニメではないが、「CG化」された画像でも違法となる点を示したことで、インターネット上には「こりゃ本気で規制きますなぁ」「このタイミングで逮捕に踏み切ったことには『意図』を感じざるを得ない」との声が上がっている。また法案に反対しているみんなの党、山田太郎参院議員は7月12日にツイッターで「CGの児童ポルノの件、本日警視庁に詳細事実確認をする予定です」と書き込んだ。

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