ホンダとGMが燃料電池車で提携 2015年に1台500万円で売り出せるか

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   ホンダと米ゼネラル・モーターズ(GM)が次世代エコカーの本命とされる燃料電池車の技術開発で提携することになった。自主開発路線を取ってきたホンダだが、燃料電池車の巨額な開発費負担を低減するには提携しかないと判断したようだ。

   先に海外メーカーとの提携に踏み出したトヨタ、日産自動車に続くホンダとGMの提携で、国内メーカーは3陣営に集約された。国内メーカーは2015年以降の市場投入を目指しており、開発競争が激化するのは必至だ。

リーダー2社が力を合わせる

   ホンダの岩村哲夫副社長とGMのスティーブ・ガ-スキー副会長が2013年7月2日にニューヨーク市内で記者会見して提携を発表した。2020年をめどに燃料電池と水素貯蔵システムを共同開発する。燃料となる水素の供給設備などのインフラ整備や、技術の国際標準などでも協力し、普及を加速させる考えだ。

   岩村副社長は「燃料電池技術の開発を加速させ、コスト低減に努める」と提携の意義を説明。両社は燃料電池分野の米国特許保有数で上位を占めており、ガ-スキー副会長は「燃料電池車のリーダーである2社が力を合わせ、どのメーカーもやれないことをできるようになる」と強調した。

   燃料電池車は燃料の水素を空気中の酸素と化学反応させてできる電気で走り、水を排出するだけで二酸化炭素(CO2)を出さないことから「究極のエコカー」と呼ばれる。同様に走行中にCO2を出さない電気自動車(EV)の充電に比べ、燃料補給時間が短く、走行距離もEVより長いため、次世代エコカーの本命と期待されている。

トヨタや日産もすでに海外勢と共同開発

   問題はコスト。2002年にホンダなどが世界で初めて発売した際には「1台1億円」といわれ、市場投入には価格の高さがネックとされてきた。その後、メーカーが開発コスト削減にしのぎを削り、ホンダとトヨタが2015年をめどに発売予定で、価格を500万円程度まで引き下げるのでないかと注目されているが、量産車普及のためには莫大な開発コストのさらなる低減がカギになる。

   今年に入ってトヨタが独BMWと、日産も独ダイムラー、米フォード・モーターと、相次いで共同開発に踏み切ったのも開発費負担が最大の要因。国境を越えた提携が広がる中、独自開発にこだわってきたホンダにも開発費負担は重くのしかかっており、世界2位の販売台数を誇るGMとの提携でリスクを分散するのが得策だと判断した。

   また、各国で導入される環境規制も提携を後押しした。米国ではカリフォルニア州がメーカーに、販売台数のうちの一定比率を環境負荷の低いEVなどにするよう義務づけた。同様の規制が各国で進む可能性があり、競争力を確保するためにも技術開発を急ぐ必要があると判断した。

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