フランスメディアはあえて物議を呼ぶコメントを流す
日本のネットではこの記述に驚き、何を言いたいのか分からない、これはパフュームを絶賛する記事ではなく原発事故を非難するとともにパフュームを落とし込める目的なのではないか、といううがった見方をする人もいて、
「放射能が肯定的なわけないだろ」 「放射線浴びたいやつはいないだろ。放射能を持つ物質に近づきたいやつはいないだろ」 「日本が被災して困っている事にパフュームを例えるってアフォだろフランス人」
などといった声が挙がった。
いったい何が目的で「ELLE」は「放射能」という言葉を使ったのだろうか。フランスの現代事情にも詳しい澤田直立教大学文学部文学科フランス文学専修教授に話を聞いてみると、福島の原発事故はフランスにも大きなインパクトを与えた出来事だったが、今回のパフュームの記事に関して「悪意」のようなものがあったとは必ずしもいえない、という。それは日本の一般的なメディアは客観的な立場で中立を守ろうとするが、
「フランスの場合はあえて物議を醸そうとする、そんなコメントが好きなんです。川島選手の場合でも負け惜しみのようなものがあったとは思いますが、インパクトを求めて際どい事を短絡的にやってしまった」
パフュームに関しても彼女たちの素晴らしさを表すためにはどんな例えがいいか、それで「放射能」が一番インパクトがあると判断したのではないかと説明した。日本とフランスは現在、国を挙げて原子力発電所の共同事業をしているため、「放射能」というのは両国を結ぶ旬なキーワードだと思ったのかもしれない、と澤田教授は解説した。