「子供の発想」、「面白い」と反応分かれる
記事のインパクトのある見出しと主張、そして顔写真には多くの読者も目を奪われたようだ。コラムの反響がツイッターなどで書き込まれている。
まず、「『子どもじみた』というか、まんま子供の発想だろ」「子供でも無理な事は分かる」と個人の体験を一般化することへの批判が目に付いた。
稲垣さんはコラムの中で、最近、「節電を呼びかける社説を書いた」ことを明らかにしている。それだけに、個人的に、こうした極端な節電生活を送っている論説委員が、世間一般に向けて「節電社説」を書いていることへの違和感を持った人がいたようだ。
また、「じゃあお前も半分の電気で新聞刷れって言ってやったらどんな顔するのだろう?」「家庭の電気はまだしも、企業が電気使用量半分にしたら日本経済滅ぶぞ」という意見もあった。これは稲垣さんのように、「個人ユーザーが消費電力を半減」するだけでは、「産業用」も含めた全体の電力需要が半減しないことへの皮肉といえそうだ。
一方で、「稲垣えみ子記者の文章が面白い」と新聞らしからぬ書きぶりを楽しむ声もある。「新聞の社説ってすんごいおじいちゃんが書いてるのだとばかり」と稲垣記者のルックスに関心を持った人もいる。また別の人は「今朝新聞読んでいて一番印象的だった記事。誰かを責め立てる事無く社会を変えようとする道もあるにはあるんだよなぁ」と感心している。
記事を書いた稲垣記者は1965年生まれ、1987年に朝日新聞に入社。大阪本社の社会部デスクなどを歴任し、現在は論説委員を務めている。『死に方が知りたくて』『震災の朝から始まった』と2冊の本も出版している。
酒好きらしく、朝日新聞の大阪本社版で「うまい地元の酒が飲みたい」という連載をしていたことがある。自身のフェイスブックでも酒を飲んだことなどを書いている。
彼女を知る朝日新聞関係者によると、「ちょっと変わってるが、文章はうまい」とのことだ。