「喫煙者の受け皿を作るのが大事」理解求める
こうした意見に対し、千代田区の担当者は、「喫煙者にも嫌煙家にも配慮したルールを作る」と理解を求めている。
ルール作りに踏み切ることとなった背景として、区で11年前に路上喫煙禁止を条例化して以来、分煙を促進する企業や喫煙所には公的な支援をしてきた。しかしここ数年、会社や鉄道機関で「全面禁煙化」が進み、喫煙できる場所が激減してしまった。喫煙者がルールを守ろうとしたために、条例対象外の公園に集まってタバコを吸うようになった、という実情があるという。
しかし喫煙者の集まり方にも地域差があり、あまりに集中してしまっている公園もいくつかある。面積が広かったり、遊具が設置してあったりすると子どもの出入りも多く、そうした公園については「煙たくて迷惑」「子どもとすれ違った時に危険」という苦情が上がっていたそうだ。
そこで、利用者層などに照らし合わせ、地域とも話し合いながら、分煙にするか全面禁煙にするか、あるいは禁煙の時間帯を設けるなど、公園ごとにルールを決めていくという。同時に喫煙できる場所の確保にも動き、喫煙所を設ける民間企業には補助を出す構えだ。「社会全体で圧倒的に不足している喫煙者の受け皿を作るのが大事。ぜひ協力してほしい」と訴えていた。
ちなみに東京都の公園の喫煙禁止については、新宿区が12年4月から「面積が2000平方メートル以下の公園または駅や学校に近い公園、子どもの利用が多い公園や形態上分煙ができない公園は禁煙」とし、喫煙できる公園を18か所に限定している。