落雷事故で死なないための対策 「大きな木の下避難」は超危険

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   激しいゲリラ雷雨に見舞われた2013年7月8日に関東で、5人が落雷に遭い東京で一人の死亡が確認された。大きな木の下に避難したことが原因と見られている。また、埼玉県では農作業中の男女二人が雷に襲われ心配停止の重症になっている。

   異常気象のせいもあってか年々落雷が増えている。雷が何処に落ちるのかの予想は不可能で、雷雲が身近に迫った時には大きな建物の中や車の中に逃げ込むしかない。それが難しい場合、身を守る方法はあるのだろうか。

木の傍には行ってはいけない、「あずまや」もダメ

   7月8日の午後3時50分ごろに東京都北区の荒川近くであった落雷は、荒川の中州で釣りをしていた男性4人を襲った。4人はゲリラ雷雨に遭遇し、まず中州にある簡易休憩所として作られた屋根のある小屋(あずまや)に駆け込んだ。しかし小屋は簡易な造りで横殴りの雨が厳しく当たるため諦めて、中洲に植えられている大きな木の下に避難した。不運にもその木に落雷があり、一人が死亡、2人が重傷を負った。残りの一人は木から3メートル以上離れた場所にいたため軽症で済んだという。

   雷情報の提供サービスのフランクリン・ジャパンによれば、日本の陸上部に落ちた雷は09年が34万2859回、10年が93万5869回、11年が65万8406回。12年が112万9430回となっている。12年は落雷の数と比例して雷による被害が例年よりも多かったそうだ。こうした雷から身を守る方法はあるのだろうか。

   気象庁のホームページには「雷から身を守るには」という項目がある。雷は雷雲の位置次第で、海面、平野、山岳などところを選ばずに落ちる、と書かれている。グランドやゴルフ場、屋外プール、堤防や砂浜、海上などの開けた場所や、山頂や尾根などの高いところなどでは、人に落雷しやすくなるそうだ。落雷がある場合の比較的安全な場所は鉄筋コンクリート建築、オープンカーを除く自動車やバス、列車内部など。木造建築の内部は基本的に安全だが全ての電気器具、天井・壁から1m以上離れたほうがいいという。

「少しでも低い場所を探して身を屈める」

   ただし、安全な場所が必ずあるとは限らない。そんな場合は、

「電柱、煙突、鉄塔、建築物などの高い物体のてっぺんを45度以上の角度で見上げ、4m以上離れた範囲(保護範囲)に退避します」

と説明している。高い木の近くは危険で、最低でも木の全ての幹、枝、葉から2m以上は離れてほしいとしている。

   TBSの情報番組「ひるおび!」は2013年7月9日に8日に起きた落雷事故についての特集を組んだ。荒川の中州での事故については、枝、葉、地面から電気が流れる「側撃雷」となって人の体を直撃したと説明し、木の傍には近づいてはいけないと警告した。では木に移動する前に避難した木造の小屋(あずまや)に留まっていればよかったのか。これも間違いで、92年には小屋で雨宿りしていた男性が「側撃雷」で死亡した例もあるという。

   番組に出演した気象予報士の森朗さんは、野外などでレジャーを楽しむ場合は落雷に備えて、安全な建物や車の中など避難場所を予め決めておくことが重要で、雷雲などが現れた場合は速やかに移動すること、とした。また、避難場所が見つからなかった場合の緊急措置として「少しでも低い場所を探して身を屈め、地面に接触する部分は小さくすること」と説明し、雷を避けるポーズをして見せた。両足をピッタリ付けて爪先立ちになり、身を屈め両耳を両手で塞ぐ、というものだった。足を開いて屈んでしまうと足が電気の通り道になりやすく感電する可能性があるのだという。落雷した際には地面に電気が走るため、うつ伏せになってはいけないのだそうだ。

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