「渋谷駅で銃を乱射した男が警官隊に捕まったらしい!」「犯人、笑ってた…」
2013年7月8日の夕方、こんな情報がツイッターを駆け巡った。
人々は重大事件への恐怖におののいたが、どうやら、「伝言ゲーム」で事実がねじ曲がってしまったようだ。
「渋谷駅に銃持ってるおっさん」から「渋谷駅で乱射事件発生」
「渋谷駅から半蔵門線で帰ろうとしたら、銃持ってるおっさんがいた!!!!本気で殺されると思ったー」
「渋谷駅、半蔵門線のとこに銃持ってるスーツの人いた。発砲してたけど、本物かビー玉出るやつかわからん。気をつけてください」
8日16時過ぎ、複数のユーザーがこんな目撃情報をツイートすると、瞬く間に拡散されていった。
その後、「渋谷で拳銃持ったおやじが取り押さえられてる」「警察めっちゃ居たし 怖い怖い!犯人逮捕されてたょ!」「渋谷の発砲事件の犯人見ちゃった 笑ってた」「田園都市線渋谷駅、大混乱www」など多くのユーザーからより詳細な情報がツイートされ、ツイッターは騒然となった。
NAVERまとめには目撃情報をまとめた「渋谷駅で銃を乱射して暴れた男が完全防備の警官隊に捕まる事件発生!乗客は避難し改札内立入規制へ」というページが作成された。これも拡散されていき、「ちょ、渋谷で銃の乱射って何事」「渋谷で銃乱射なんてあったの?怖いな」と、ツイッター上で「渋谷駅で銃の乱射事件があった」ことが事実として広まっていった。
警視庁広報課「そんな情報は入ってきていない」
本当に起こったとすれば重大な事件だが、メディアは一切報じていない。「ツイッターしかソースがない」ということから、真偽を疑うツイッターユーザーも現れ始めた。
J-CASTニュースが警視庁広報課に確認したところ、「銃を乱射したとか、所持していた男が捕まったという情報はこちらには入ってきていない。本物の銃を所持したり発砲したりという事案があったら、重大な事件として広報課に情報が入るはずなので、そうした事実はないと言っていい」とのことだった。
8日19時50分現在、NAVERまとめのページは「渋谷駅で銃を発砲して暴れた男が完全防備の警官隊に捕まる事件発生!犯人は『笑っていた』との情報」というタイトルに修正されている。