新聞各紙の予測はそろって「自民党歴史的大勝利間違いなし」。自公での過半数確保はもはや揺るぎそうにもない。
いや、それどころではない。「単独過半数」にさえ届きかねない勢いだ。
単独70議席なら中曽根政権以来
2013年7月6日、新聞各紙が掲載した参院選「序盤」の分析結果は、驚くべきものだった。
たとえば朝日新聞では、自民は改選34議席から、倍増の68議席前後を獲得する見込みと報じた。2001年の「小泉旋風」選挙を上回る勢いで、10議席前後を見込む公明と合わせ、参院過半数確保に必要な「63議席」ラインの突破はもはや確実な情勢だ。それどころか、自民単独の70議席獲得さえ視野に入る。70の大台に乗れば中曽根政権時代(1986年)以来で、まさに「歴史的」な快挙となる。
各紙の予測もだいたい同じ線で、60議席台後半はほぼ確実、問題は70議席を超えてどこまで行くか、というところ。もっとも「上」を予想するのは朝日新聞で、最大73議席と見る。
73議席ともなれば、非改選50議席とあわせ123議席となり、過半数(122議席)を自民党単独で上回ることになる。自民が参院で単独過半数を確保すれば、実に24年ぶり、「マドンナ旋風」に敗れた1989年参院選以来の「失地回復」だ。
一方の野党はこぞってふるわない。朝日の予測では民主は改選44議席が17議席前後、維新、みんなも微増の6、7議席前後にそれぞれ留まる。都議選でも好調だった共産は上向く気配を見せるが、社民、生活などそのほかは言わずもがな。他紙もおおむね同様の見方だ。
改憲ライン「3分の2」も十分視野に
もちろん、世論調査の結果どおりに選挙が進むとは限らない。1998年の参院選では、「楽勝ムード」だった自民がまさかの大敗、橋本政権退陣という屈辱を味わった。そんな「万が一」はないのか。政治評論家の有馬晴海さんは、自民の優位は揺るがないと断言する。
「3年3か月の民主政権で、国民には『政治家は「最低自民レベル」でなくちゃ……』という認識が定着してしまった。今後自民側に大きな失言・失態があったところで、有権者には結局自民以外の選択肢がない。参院選後も、個々の政策をめぐって議論はあっても『自民がやるなら仕方がない』となってしまうのでは」
となると気になるのは、憲法改正発議に必要となる「3分の2」のライン・162議席だ。「改憲派」自民・維新・みんなの3党だけではさすがに届かないが、連立を組む公明が賛成すれば、十分可能性がある。