ガソリン車でありながら燃費も改善、価格でも差がなくなる
BNPパリバ証券株式調査部の自動車セクターの杉本浩一シニアアナリストは、外国車の好調の要因を、「日本市場ではこれまで、(外国車の)いわゆる5ナンバーは幅が大きく、運転しにくいので受け入れにくかった。そこでデザイン的にも、またコスト競争力の高い小型車、なかでもエントリークラスを重視したことがあります」と語る。
1~6月で23.7%増と伸びた独メルセデス・ベンツでも、売れ行きが好調だったのは排気量が1600ccからの小型車「Aクラス」と「Bクラス」で、主力の高級車「Cクラス」に匹敵する売れ行きをみせた。
目を引くのは、価格。たとえば、1~6月に日本車で最も売れたトヨタ自動車のHV「プリウス」(1.8Lクラス、217万円~)と、「ベンツAクラス A180」(284万円~)を比べると、その差は67万円だった。
外国車が「大きくて価格が高く、燃費や加速が悪い」というのは、もはや過去の話。小型で、ガソリン車でありながら燃費も改善され、価格でも差がなくなってきた。加えて、これまで「丈夫」とされた安全性にもさらに磨きがかかったのが人気の理由とみられる。