フィギュアスケートの安藤美姫選手が、出産からわずか10か月後のソチ五輪を目指すことに対して、大丈夫なのかという心配の声があがっている。出産までの筋肉の衰えや「骨盤の開き」がジャンプにマイナスに作用するのではという見方を示す医療関係者もいる。
一方で、日本代表入りの可能性は高いとみるスケート関係者もおり、今後の展開は未知数だ。
「ママさんスケーター」の五輪シングル出場「世界中で1人もいない」
2013年7月7日放送の「アッコにおまかせ!」(TBS系)では、「安藤美姫 出産騒動の裏事情をおまかせ流徹底取材」と題して特集が組まれた。4月に出産したことを7月1日に公表した後、初の公の舞台となった6日のアイスショー「ファンタジー・オン・アイス」で、安藤選手が得意の3回転サルコーを1回失敗したことに触れながら、安藤選手の今後について分析した。
医学的な見地から「ソチ五輪は厳しいのでは?」とコメントしたのは、中野サンブライトクリニックの大竹真一郎院長。女性が出産してから全盛期の筋肉に戻るためには、「約1年間のトレーニングが必用」という。ソチ五輪は2014年2月に開幕する。4月の出産から約10か月後にあたる。
また大竹院長は、出産によって骨盤が広がっているため、「踏ん張りがきかずジャンプがしづらい」という課題があるとも指摘した。産後の骨盤については、ケアの重要性が指摘されており、一般の人と異なる運動選手の場合、元の状態に戻すには「少なくとも1年半~2年かけて戻す必要がある」と指摘する専門家もいる。
出産後の育児の面でも気がかりな点がある。母乳でカルシウムが不足がちになり、ケガのリスクが大きくなるといい、「ソチ五輪までの(あと)7か月で、ピークにもっていくのはかなり厳しいのでは?」と見方を示した。同番組の調べによると、過去にオリンピックの女子フィギュアシングルに出場した「ママさんスケーター」は世界中で1人もいないという。
スタジオの和田アキ子さんは、安藤選手がソチ五輪を目指すことについて、「覚悟があれば、それはそれですてきなこと」としながらも、「応援したいけど、応援するにしても大丈夫なの?」と心配そうだった。