高速道路「無料化」先送り 「2050年まで有料」を10~15年延長

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民間活力導入に関する議論も深まっていない

   ただ、7兆~12兆円の老朽化対策を行うには、実際には再び借金をすることが必要で、新たな債務を抱えることになる。しかも、更新や補修には終わりがなく、「7兆円も12兆円も必要かを厳密にチェックすべきで、国民に納得感があるものにしなければならない」(寺島部会長)と、必要額の厳正なチェックをするにしても、10~15年の徴収期間の延長で老朽化対策がすべて完了する保証はない。

   民間活力導入に関する議論も深まっていない。政府の経済財政諮問会議で、老朽化した首都高速道路の改修に民間資金を活用する新しいスキームとして、「空中権」の民間売却が論議されている。JR東京駅の復元工事で駅敷地の容積率の余った分を丸ビルなど周辺の事業者に売却することで工事費を捻出したように、首都高速道路敷地上の空間を利用する権利を周辺ビルなどに売却しようということだ。

   国交省によると、現在首都高には空中権の売却が可能とみられる部分が16%程度あり、まず手始めに銀座付近の空中権の売却を検討しているという。もちろん、膨大な改修費用に対して貢献は限定的だが、一定の効果は期待できるところ。広い意味の民間資金を活用した社会資本整備(PFI)の視点から、利用者へのツケ回しの前に議論しなければいけないテーマは多い。

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