第23回参院選が2013年7月4日公示され、初めてインターネットを活用した選挙戦がスタートした。深夜0時には主要9党の党首が事前収録した動画がニコニコ動画で公開され、朝になって立候補の届け出を済ませた候補者は、ツイッターやフェイスブックなどぞれぞれの方法で支持を訴えた。
0時から8時半は「政治活動」しかできないグレーゾーン
実はこの「ネットの第1声」、各党は慎重な対応を迫られた。公選法の規定によると、投票の呼びかけなどの「選挙運動」は立候補を届け出てからしか行えないからだ。そのため、0時から立候補の受付が始まる8時半の間、政策を訴える「政治活動」は認められるが、投票の呼びかけをすると「事前運動」だとして選挙違反に問われる可能性がある。
そういった経緯もあり、ネット選挙が本格的に始動したのは朝になってからだ。20人の候補者が乱立した東京選挙区(改選5)では、各候補がいっせいに「第1声」の様子を発信した。例えば日本維新の会の小倉淳氏は、街頭演説の様子をユーストリームで中継し、みんなの党の桐島ローランド氏は写真付きでツイートしていた。
演説のスケジュールが次々に更新されるのも、大半の陣営に共通している。
民主・鈴木氏は「※リツイートは20歳未満はご遠慮ください」の注意書き
選挙戦の「こぼれ話」を盛り込む候補者もいる。民主党の鈴木寛氏は、フェイスブックに
「選挙カーで手を振りながら、投稿するのは、やっぱりたいへん 。車酔いしそうです」
ともらした。また、未成年者には引き続き選挙運動は解禁されないため、鈴木陣営では演説日程紹介のツイートに
「※リツイートは20歳未満はご遠慮ください」
という注意書きも入れた。
リツイートを効果的に活用する候補者もいる。俳優で無所属の山本太郎氏は
「山本太郎選挙ポスター貼り間も無く!ここは一番手だね」
といった支持者の声をリツイート。ポスター貼りが順調に進んでいる様子を伝えた。
日本共産党の吉良佳子氏は
「すごいすごーい!吉良さん頑張ってー☆ 」
「たくさんの現場の声に裏付けられ、自分の言葉で語っている。久々にうるっとした」
といった支持者の声をリツイート。自らに支持が集まっていることを強調した。
「元のビラの"ある"ところに証紙を貼って」…
一方、民主党の候補者1本化の影響で公示直前に公認を取り消され、無所属での出馬となった大河原雅子氏は、フェイスブックに
「事務所でのビラへの証紙はりを進めています。が、急遽無所属候補となった関係で、ビラの刷りなおしが間に合っていません。元のビラの"ある"ところに証紙を貼って、急場をしのいでいます」
と、民主党ロゴの上に証紙を貼る様子を写真つきで紹介。悲哀をにじませた。
当選圏内にあると指摘されている候補者は、公示当日のネット利用は活発ではないようだ。例えば公明党の山口那津男氏は、17時過ぎに第1声の様子を掲載し、自民党の武見敬三氏は石破茂幹事長の応援ビデオメッセージをユーチューブで流している程度。
同じく自民党の丸川珠代氏はツイッターに第1声の写真を掲載し、ブログでは「なぜ政治家を志したのか」と題する決意表明のような文章を掲載した。ただ、丸川氏については安倍晋三首相がフェイスブックに
「『この愚か者めが!』『ルーピー!」』発言で注目を浴びた丸川珠代さん、出陣です。(その後この発言が正しい事は今尚続く、民主党や鳩山元首相の迷走で証明されました。)」
と書き込み、強力な援護射撃をしている。