栃木県鹿沼市の教育委員会と市内の小学校に匿名の電話が2013年7月2日昼に入った。給食当番だった小学2年の女児がマスクを忘れたため、担任が女児の口にガムテープを張り作業をさせた、というものだった。
調査をすると事実だとわかり、ネットでは「女児虐待」「ヘンタイ教師」などと非難が噴出した。ただし、「事件」の詳細がわかるにつれ「大騒ぎすることか?」といった意見も散見されるようになった。
4日間連続でマスクを持ってくるのを忘れた
鹿沼市教育委員会によれば、匿名の電話があって直ぐに小学校と連絡を取り事実の確認を行った。問題の教諭は30代の男性でガムテープを張ったことを認めた。
今回「事件」の経緯は、生徒に交代制で給食当番が回ってくるシステムになっていて当番はマスクを持参することになっている。この女児は13年6月24日から27日まで4日間連続でマスクを持ってくるのを忘れた。担任はその度にマスクを持ってくるように注意し、マスクが必要のない運搬などの作業に回していたが、他の生徒とのバランスがあるため、27日はマスクが必要な給食配膳の作業をさせた。
そして、マスクがないから「つばが飛ばないように」と口にガムテープを張ることにした。大きさは縦約3センチ、横約5センチだったという。ただしこれは良くないことだと直ぐに判断してガムテープを剥がし、ポケットティッシュを4つ折にしたものを作りセロテープを使って口に張り10分ほど作業させたのだという。
教育委員会によれば、このことで何か騒ぎのようなものは全く起きず、ガムテープを張られた生徒も嫌な思いをしたような感じはなかったようだ、という。それが一変したのが7月2日の匿名の電話とそれに続く地元紙の報道だった。
帰宅前のホームルームで担任はガムテープを張った生徒に謝罪した。そして保護者宅に電話をして謝罪したいので家に行きたいと申し出た。すると恐縮したのは生徒の母親で、4日連続でマスクを持っていかなかったのはこちらの落ち度なのに、謝罪に来てもらうのは逆に申し訳がない、話を大袈裟にしたくない、などということで訪問を断ったという。