主要国「代替フロン」の規制強化で合意 エアコンなどで幅広く使われている

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   京都議定書に代わる2020年以降の国際的な温暖化対策をめぐり、エアコンなどの冷媒に使われ、温室効果が二酸化炭素(CO2)の1万倍ともいわれる「代替フロン」の規制強化で各国の意見がほぼ一致している。ただ、実際に大気中への放出をいかに止めるか、抜本対策のハードルは高い。

世界の排出量は2002年から倍増

   温暖化対策の国際的な新しい枠組みを協議した国連気候変動枠組み条約第19回締約国会議(COP19)の準備会合(ボン)がこのほど開かれ、各国が自主目標を掲げて温室効果ガス削減に取り組む米国の案を軸に議論が進む見通しになった。11月にポーランドで開くCOP19で議論を進め、2015年までの合意をめざすことになる。

   問題は実効ある目標をいかに立てるか。各国の利害が複雑に絡み合うだけに、調整は難航必至だが、その中で、今回の準備会合で、代替フロンの規制を強化することでは、主要国間で大筋、合意に達した。

   代替フロンは、オゾン層を破壊する「特定フロン」に代わって開発された物質で、ハイドロフルオロカーボン(HFC)などがある。エアコンなどの冷媒、断熱材などとして広く使われ、オゾン層は破壊しないが、地球温暖化への影響度はCO2の百数十倍から約1万5000倍に達する。京都議定書の規制対象になったが、2010年の世界の排出量はCO2換算で11億 トンと、2002年から倍増している。

   このため、今回の準備会合で欧州連合(EU)が、2020年までの各国の削減強化策としてHFC規制強化を提案し、日本なども理解を示したほか、先のオバマ米大統領と習近平中国国家主席の会談でもHFC削減は効果的な温暖化対策になるとの認識で一致した。インドなど産業活動への影響を懸念し反発している国もあるが、オゾン層破壊物質を直接規制する「モントリオール議定書」の枠組みを活用し、HFCを同議定書の対象物質に加えて規制する方向で議論が進む見通しだ。

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