円安、インフレ、「消費に対してポジティブ要因にはならない」
生活者の消費動向を、「消費意欲指数」と「デフレ生活指数」(安く買いたい、安いサービスを利用したいという欲求を指数化したもの)から分析している博報堂生活総合研究所によると、2013年6月の消費意欲指数は48.3点、デフレ生活指数は61.2点で、「消費意欲に変化はなかった」としている。
ボーナスの支給がはじまる6月は消費意欲が喚起されてもよさそうだが、将来の物価上昇や消費増税への負担増が予想されるなか、ボーナスへの期待もさほど大きくないようだ。
一方、デフレ生活指数は男性40歳代や女性50歳代で上昇。前出の酒井 崇匡・主任研究員は、「アベノミクスによる円安は、庶民にとって『輸入品の値段が上がるのではないか』『インフレで物価が上がるのではないか』といったビハインドな流れにしかなっていません」と話す。
なかでも、年金生活者にとっては「円安や物価上昇は、消費に対するポジティブ要因にはなりません」と指摘。節約志向が続いているとみている。