――香港のメディアで、鳩山さんが尖閣諸島について、『日本が盗んだと言われても仕方がない』と発言されましたが?
「してない」
「中国側がそういう判断をする、という可能性はあるということを申し上げた」
「尖閣盗んだ」発言が報じられた直後の2013年6月25日夜、鳩山由紀夫元首相は報道陣に、こう言い切った。
香港・フェニックステレビを確認して見ると…
本当に問題の発言を「してない」のだろうか。念のため、騒動の発端となった、24日収録の香港・フェニックステレビのインタビューを確認してみた。香港記者の「なぜ、尖閣諸島を『係争地』であると考えているのか」という質問に、鳩山元首相は日本側、中国側にそれぞれの主張があるとした上で、こう明言している。
「釣魚島、いわゆる尖閣に対しては、そのこと(ポツダム宣言・カイロ宣言)から言えばですね、1895年、日清戦争の末期に『そっと』日本のものにしてしまった、それは中国側から見れば『盗んだ』という風に思われても仕方がない。ならばそれは返すべきだというのは――カイロ宣言(※編注:『満洲、台湾及澎湖島の如き日本国が清国人より盗取したる一切の地域を中華民国に返還する』)の中に尖閣が入るだろうということは、そういう解釈は十分に、私は中国側から見れば当然成り立つ話だろうと」
中国側の主張を分析した形の発言とはいえ、これを「『日本が盗んだと言われても仕方がない』とは言っていない」と言い張るのは、苦しい。