経営者の高齢化も休廃業・解散に拍車
設置から40年以上経過したガソリンタンクの改修がGS業者の経営に打撃を与えることは、これまで国会でも問題になってきた。
自民党の今村雅弘衆院議員は2011年10月、「過疎地におけるGS等では販売利益が少ないため、工事費用すら捻出できないのが現状で、このままではGS過疎化が進む」と質問主意書で指摘。経済産業省は「地下タンクの腐食を防止することは喫緊の課題」として、「過疎地の安定供給を確保する観点から、地域のGSが事業を継続できるよう地下タンクの入れ替えに補助を行っている」と答弁したが、GS撤退は現実のものとなったようだ。
帝国データバンクによると、休廃業・解散したGS経営者は、70歳以上が最多の82社で、60歳以上になると146社となり、全体の8割近くを占め、地下タンク問題と高齢化が相まって、廃業が増えていることを示している。
同省によると、全国の市町村でGSが3カ所以下の「GS過疎地」の市町村は今年3月末で257ある。全国自治体(1719市町村)の15%を占めており、GSゼロは新潟県粟島浦村、大阪府豊能町、奈良県三宅町など7町村と、増加傾向にあり、今後、社会問題になるのは必至だ。