鳩山由紀夫元首相が2013年6月24日、沖縄・尖閣諸島について、香港のフェニックステレビの取材に対し「中国側から『日本が盗んだ』と思われても仕方がない」と話した。この発言は25日、中国内外に向けて報じられた。
これに対し、菅義偉官房長官は25日午後の記者会見で「開いた口がふさがらない。国益を著しく損なうもので、断じて許すことはできない」と批判。尖閣諸島は日本固有の領土という見方を改めて示した。
「日本から干して!」「鍵付きの籠に入れて!」ネット民もぷんぷん丸
菅官房長官は「鳩山氏はこれまでも無責任な発言で、政治の混乱を招いた。憤りを感じる」と、怒りをあらわにした。
尖閣諸島については、鳩山氏は12年10月にも、北海道・苫小牧市内で行った講演で「領土問題でないといくら言っても、日本は不利な立場」「領土問題は領土問題として議論を大いにしながら、日本の主権を主張していくべきだ」「友愛精神、東アジア共同体の発想を生かしたい」と発言していた。
さらに13年1月には、訪問先の中国で「尖閣諸島が係争地」との見解を示したほか、「南京大虐殺記念館」では犠牲者数30万人との説明にうなずき、お詫びしたとも報じられた。この発言に対し小野寺五典防衛相は「国賊」、小池百合子・自民党広報本部長は「鳩は鳩小屋にいなさい」と強い批判を展開していた。
インターネット上では今回の鳩山氏の発言に対し、「鳩山が国益を損なわなかったことがあるだろうか」「誰かこの人政界からだけでなく、日本から干してくれ!」「あの鳩は、鍵付きの籠に入れておくべきだな!」など怒りの声が多数上がっている。
また、アルピニストの野口健さんもツイッターで「国民は大きく判断を間違えた。この男が日本国の総理だったと思うだけで心底に情けない」と厳しく批判している。
鳩山氏は12年に政界を引退、13年6月いっぱいで民主党も離党する予定だ。