みずほフィナンシャルグループ(FG)傘下の「みずほ銀行」と「みずほコーポレート銀行」(CB)が2013年7月に合併する。
その前夜となる6月29日、30日にはすべてのATMを止めて、両行のシステムをつなぐ作業を行う。「みずほ」といえば、発足時の2002年4月と東日本大震災のあった11年3月の2度、大規模なシステムトラブルを起こしている。今度は大丈夫なのか――。
ホントの山場は「2015年度末」のシステム統合
2013年7月1日の合併を前に、みずほ銀行のシステムを不安視する人は少なくない。過去2回の大規模なシステム障害が、あまりに鮮明に記憶されているからだ。
最初は02年4月。富士銀行と第一勧業銀行、日本興業銀行の3行の経営統合という、「みずほ銀行」「みずほCB」誕生に沸くなかで起こった。ATMで現金が引き出せなくなり、二重引き落としまで発生。トラブルは1か月近くも続いたが、3行が自行のシステムを使うことを主張したことで準備不足に陥ったことが原因とされる。
2回目は東日本大震災の発生からわずか3日後の11年3月14日。義援金の集まり過ぎをきっかけに、振り込みの遅れや店舗でのサービス停止、ATMの取引停止などが発生。影響は日を重ねるごとに広がり、収束までに10日間を要した。
「未曾有の大地震で大変なときに、何をやっているんだ」との批判が噴出。繰り返されたトラブルに、「発足時のトラブルが生かされることなく、根本的な原因究明も、再発防止策もとらなかった」と経営責任を問う声が高まり、2002年に続き、11年も頭取が引責辞任した。
それだけに、「3度目は許されない」と、銀行内は神経質になっている。
みずほFGによると、今回の作業は合併で「みずほCB」の名前がなくなることに伴い、銀行コードを「みずほ銀行」にあわせたり、支店名を変更したりする、という。
「銀行は一つになりますが、システムは当面2つが併存して稼働することになります。段階的に(統合を)進め、1本化するのは2015年度末になります」(みずほFG)
つまり、システム統合作業の本当の「山場」は、2015年度末というわけだ。